よし、筋肉をつけるためにはたくさん食べろって友達が言ってたな。明日から朝ご飯はパンケーキ、昼ご飯はラーメン、夜ごはんは焼肉に行けばいいのか。
(1か月後)あれ、脂肪ばっかりついて筋肉がついている感じがしないぞ…?
こういった悩みに答えます。
脂肪をつけない増量とは
【脂肪をつけず筋肉をつけたい人必見】増量期にありがちな3つの失敗【実体験から話します】
正しい増量の仕方
記事の信頼性
記事を書いている僕は、ボディメイク歴2年ですが会社員をしながらフィジーク大会で優勝した経験があります。
それは才能があったわけではなく、正しい知識を正しく実践したことが理由です。

ボディメイクを経験したことがなければ適切な増量方法は知らなくて当然だと思います。
僕もコンテストに出ようと志した2020年1月では知識がほとんどなく、とにかくたくさん食べればいいんだろ!と思ってラーメンや焼肉など油の多いものを食べる1か月間を過ごしたことがあります。
しかし、もちろん失敗しました。
そこで、今回は増量の先にある減量を見越した増量方法について説明します。
これさえ理解していれば、最終的には筋肉を大きく増やしたのちに脂肪を減らすことができるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
本日の目次
増量期の三大失敗(増量の定義あり)

バルク期とは単純に体重を増やすことではなく筋肉を発達させて大きくしていく期間の事です。
グリコ、桑原弘樹さん寄稿 記事
つまり、筋肉を増やすために体重も同時に増やすということです。
そのためには摂取カロリー>消費カロリーにすることが重要です。
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で2002年に、無作為に3つのグループに分けられた73名の健康な男性が筋トレをして、摂取するカロリー量によって体重・徐脂肪体重の増加と筋力の増加にどのような影響があるか興味深い実験が行われました。
- グループ1:高カロリー・高タンパクなサプリメントを摂取
- グループ2:高カロリー・高炭水化物なサプリメントを摂取
- グループ3:特になし
その結果、グループ1と2では体重の増加と共に筋肉の強化が観測されました。一方、グループ3では同じ強度のトレーニングをしていたのにも関わらず
また、タンパク質量は個人の必要量が満たされた後は有意差が見られなかったという興味深い発見もありました。
引用元論文:J Sports Med Phys Fitness. 2002 Sep;42(3):340-7.
つまり、バルク期には下記が必要ということがっています。
十分な筋肉トレーニング
十分なたんぱく質
炭水化物を中心とした消費カロリーを上回る食事量
しかし、世の中には増量期で失敗してしまう人がいます。
それは下記3つに大きく分けられます。
急激な増量をしてしまう
筋肉より脂肪をつけすぎてしまう
すでに体脂肪がつきすぎている
失敗①急激な増量をしてしまう

急激な増量をして脂肪をつけすぎてしまうと筋肉が成長しにくい体内環境にしてしまいます。
2013年にアメリカで興味深い論文が発表されました。
※リンク先は英語です。
24名の男性被験者を対象に100日間+1,000kcalのオーバーカロリーで過ごし続けた結果、体組成と1日の消費カロリーが増加したのち、ホルモンなどにどのように変化したかを計測したものです。
この研究では、体脂肪率の増加が激しかった被験者は、体脂肪率の増加が低かった被験者に比べてテストステロンなどの筋肉の発達に必要なホルモンの分泌が低くなってしまったという結論が出ています。
つまり、増量期でも体脂肪率を急激に上昇させない方が良いということです。

もちろん、一定程度カロリーを多くとって筋肉の合成が起こりやすい環境を作ることは大切です。しかし、適正体脂肪率を越えたあたりからその環境は最適解ではなくなっているのです。
失敗②筋肉より脂肪をつけすぎてしまう

オーバーカロリーで過ごしている中で非常に大切なのはトレーニング強度。
筋肉を十分に修復して肥大化させる環境にあるのに身体を休めすぎてしまうのは増量期の失敗としてよくあるものです。
週に2日だけではトレーニング量は足りません。本格的に増量しているのであれば最低でも週4回以上を目標にトレーニングすべきです。
なぜなら、増量をする目的は”筋肥大・筋力アップをすること”だからです。
余剰カロリーは運動によって筋肉に変えていく必要があり、筋肉の再生・修復に使われなかった分は脂質を中心に脂肪に変わっていきます。
ある一定程度の体脂肪率までは筋肉がつきやすい環境になるのですが、18%や20%を超えてきたあたりから筋肉の成長効率は著しく落ちることが報告されています。
この論文は大幅に消費カロリーを超過する摂取カロリーで過ごしたボディービルダー(G1)と多少の超過摂取カロリーで過ごしたボディービルダー(G2)に分類し、週に6日間×4週間のトレーニングをさせました。
このときのG1とG2の摂取カロリーの差は1,600kcal/日でした。
その結果、G1はG2と比較して2.5倍の有意差をもって筋肥大をしていることがわかりました。
しかし、G1はG2と比較して10倍程度の体脂肪もつけていることがわかりました。
また、G1が筋肉:体脂肪の獲得比率が4:3だったのに対して、G2は筋肉:対脂肪比率が4:1という結果でした。


つまり、体脂肪をつけ過ぎてしまうと筋肥大の効率は著しく落ちてしまい、本来の筋肥大という目的から遠ざかっていくことになります。
失敗③すでに体脂肪がつきすぎている

体脂肪が15%以上今ある人は、一度減量を挟んでから増量をした方がいいです。
失敗②でも話をしましたが、脂肪がつきすぎている場合は筋肉の成長に最適な環境ではありません。
また、体脂肪を減らしてから増量を開始した方がオーバーカロリーの食事を「筋肉をつけるため」と割り切って進めることができます。
ここで、ボディメイクをしているとよく聞かれる質問の一つ「脂肪を筋肉に変えればいいんじゃないの?」というものがあります。
脂肪は筋肉には変わりません。脂肪はいつまでも脂肪のままです。
もう一度言います。
脂肪は筋肉には変わりません!!!!!!!
理由は単純で、脂肪の元となるエネルギー源は脂質であり、筋肉の元であるプロテインではないからです。
よく見る太っている人の劇的ビフォーアフターは、脂肪が減るのと同時に、食事から得られるエネルギーを基に筋肉を作っているから起こるものです。
正しい増量期の考え方

僕は基本的に減量期と同様にローファットで増量をすることをお勧めしています。
理由は下記の通りです。
脂肪は脂質から作られる
良質な油を摂るようになる
コスパがいい
脂肪は脂質から作られる

増量期であっても脂肪のつけ過ぎは悪だということはここまで読んでいただいた皆様ならご理解いただいたと思います。
そこに、僕がローファットで増量していく理由が凝縮されています。
ローファットで増量していく理由は筋肥大の効率を最大化するためです。
脂質を摂りすぎることがなければ必要以上の脂肪を身体につけてしまう心配を少しだけでも減らすことができます。
もちろん、オーバーカロリーで過ごしているため、体重は増えますし体脂肪率も徐々に増加はしていきます。
しかし、筋肉の増加に対して体脂肪を増加を少しでも抑える努力をすべきだと考えているため、脂質を一日でも最大60g程度までに抑えるようにしています。
良質な油を摂るようになる

限られた脂質しか摂取することができなければ適当なものを口にすることはできません。
そこで、限られた貴重な脂質を良質なものから摂取しようとする思考が働くのです。
代表例は、アボカド、卵、ナッツ、サーモン、オリーブオイルですね。
これらはビタミンも豊富に含まれており、限られた量の中で積極的に摂取していくべきものでしょう。
コスパがいい

冗談のように聞こえるかもしれませんが、増量期の隠れた戦いはお財布とのたたきです。
一日3,000kcal程度摂取するとなると相当量の肉と魚を買い込んでいく必要があります。
ボディメイクは継続性が何よりも大切です。
一年間だけやって結果がすぐに出る物でもありません。
何年も積み重ねていった先に予想を上回る結果が待っているので、コストパフォーマンスは追求すべきでしょう。
その結果、低脂質なものは比較的安く手に入るという状況を鑑みるとローファットで増量するのも納得できるのではないでしょうか。
僕の増量失敗談

端的に言って、僕の失敗は筋肉にならないものを食べてでも増量したことです。
僕は2019年12月末から4月半ばまで約4か月間で8㎏増量しました。
減量開始時はこんな感じ。

腹筋は見えていますが、全体的なバルクが足りていませんね。
しかし、元からガリ体型だったこともあってとにかく食べなければいけないという気持ちが勝って、ラーメン、焼き肉、吉野家のカルビ定食など手軽に手に入りカロリーを稼げるものをたくさん食べていました。
その結果、8㎏増やして下の写真に行きつきました。

あんまり大きくなっていないですね…。
何が起きていたかというと体重が8㎏増える過程で体脂肪率が18%まで到達してしまったのです。
この間、ほとんど筋肉は増えていかなかったのではないかと思います。
そこから4か月間死ぬ気で減量して、下の写真に至るのですが、正直筋肉の大きさは2019年12月末とほとんど変わっていないように思います。

つまり何が言いたいかというと、間違った増量方法ではバルクアップしないのでただ時間を無駄にしてしまいますよということです。
出来るだけ脂肪を乗せないようにしながらオーバーカロリーで過ごすのは至難の業ですが、ここまで話したことを中心に考えてみてください。
馬鹿食いして無駄に脂肪が乗って減量が苦しくなるか、きちんとコントロールしながら増量して楽に減量するか、あなたはどっちを選びますか?
まとめ:増量期でも食事管理が大切
いかがでしたか?
この記事のポイントをおさらいしてみましょう。
1. 急激な増量をしてしまう
2. 脂肪をつけ過ぎてしまう
3. 脂肪がつきすぎている
4. なので、ローファットで増量するのがおすすめ
という感じです。
少しでも増量期のやり方に悩んでいる人に参考になれば幸いです。
もし少しでもためになったらSNSでシェアしてくれたら僕の腹筋が喜びます。
それではまた次に記事で!

会社員ひろです。社会人3年間で2回の転職と無職を経験。
筋トレに2019年から本気で取り組み始め、2020年8月に行われたフィジーク大会で優勝した経験があります。
戦歴は以下の通り
FWJフィジークノービス優勝・オープン4位
Best Body Japan 関東大会ファイナリスト
NABBA SPORTSMODEL TOP10