胸とか足とか腕のトレーニングは詳しくなったけど、目に見えない背中のトレーニングはよくわからん…。でもバランスは大切って言うしなぁ。
こういった疑問に答えます。
本記事のテーマ
【背中トレ】科学的に証明された最高のルーティン【すぐに実践可能】
背中の筋肉を理解し、効率よく育てる
記事の信頼性
記事を書いている僕は、ボディメイク歴2年ですが会社員をしながらフィジーク大会で優勝した経験があります。
それは才能があったわけではなく、正しい知識を正しく実践したことが理由です。

背中の筋肉を鍛えることは非常に重要と言われつつも、目に見えない部分であることから具体的に何をしたらいいのかわからない人は多いのではないでしょうか。僕もそうでした。しかし、方法論や他の人からのフィードバックをもらうことで効率よく背中を鍛える方法を見つけることに成功しました。
今回は僕が背中トレに関する知識のすべてをここにまとめたので是非参考にしてみて下さい。
本日の目次
背中トレの肝はマインドマッスルコネクション


背中の筋肉は非常に複雑です。よってまずは筋肉の構造を大まかに理解しましょう。
背中トレに重要な筋肉の構造
これは僕の背中の写真ですが、大まかに5つの筋肉から構成されています。上から
- 僧帽筋(首に繋がる筋肉、上部と下部に分かれてます)
- 菱形筋(りょうけいきん、僧帽筋の下に隠れています)
- 大円筋(肩甲骨の真下、広背筋の上に位置する)
- 広背筋(背中の広がりを作る筋肉)
- 脊柱起立筋(背中の下の方にある筋肉)
大円筋はかなり小さい筋肉ですが、身体のアウトラインを作るのにすごく大切な筋肉なのでここに追加しました。また、このほかに小円筋、棘下筋など小さいけれど重要な役割を果たす筋肉がいくつも存在しますが、今回は最初に鍛えるべき大きな筋肉を中心に解説していきます。
これらの筋肉を満遍なく鍛えることで
- 背中の十分な厚み
- 綺麗なVシェイプ
- 背中の下部に現れるクリスマスツリー
を作ることができます。
背中のマッスルマインドコネクションの作り方
ご覧いただいたように背中の筋肉はいくつもの筋肉が折り重なって複雑に構成されています。
そのため、何も意識せずに力任せに引いているだけでは特定の筋肉を狙ったトレーニングは実践することができません。
特に、2018年に行われたショーンフェルドらによる研究によると、ただ重りを挙げることに集中したグループAと特定の筋肉の収縮に集中したグループBでは、グループBの方が大幅な筋肉量の増加が観察されました。しかも、その差は約2倍も異なるという大幅な違いでした。
では、どのように背中の筋肉の収縮を集中したらよいのでしょうか?
具体的なやり方は以下の通りです。
- 重りを小指に引っ掛ける(親指を使わないのも効果的)
- 肘から引っ張る(手に力を入れない)
- 肩甲骨を下げる(耳から遠ざけるイメージ)
- 胸椎を広げる(猫背の反対、胸を大きく張り出すイメージ)
以上の点を守ることで背中の筋肉に集中してトレーニングを行うことができるようになるはずです。
これらの意識を醸成するのに非常に役立つのがパワーグリップ。
僕が使っているパワーグリップなどは後程紹介しますね。
具体的な背中トレ方法
背中のトレーニングはたくさんのバリュエーションがありますが、僕は基本的にいつもシンプルな種目に絞ってやっています。
今回は僕がいつも取り入れている、科学的に効率的に効果のあるトレーニングを4つ紹介します。
背中トレ1: デッドリフト(orラックプル)
デッドリフトは背中全体の筋肉+脚の背面の筋肉全てを鍛えることができる素晴らしい種目です。
よくデッドリフトはけがに繋がるからやらないと言うトレーニーがいますが、1992年の研究と2011年の研究によるとデッドリフトは正しい重量設定と正しいフォームで行った場合怪我のリスクを低減することができる事がわかっています。それどころか、体幹の筋肉全てを強化することで背中のけが予防につながることすらわかっています。
しかし、この正しいフォーム(=背中が丸まったり反ったりしないこと)を維持するのが難しいため、怪我に繋がると考える人がいます。
そこでおすすめなのがラックプル。
※様々な名称があります。
ラックプルはバーベルを膝~膝上の位置にセットします。そうすることで大きく腰が曲げなければならないポジションを回避して背中に刺激を与えることができます。
デッドリフト(ラックプル)が非常に効果的な理由は非常に重い重量を取り扱うことができる種目だからです。他の種目ではできないほど高重量を扱うことができるので、ぜひやってみてください。
背中トレ2: チンニング(プルアップ)

チンニングはデッドリフトと同様に多くの筋肉を同時に刺激することができるコンパウンド種目です。
デッドリフト異なるメリットとしては大円筋や棘下筋といった小さい筋肉にも刺激をあたえることができるので 、肩関節のサポート機能を高めることができます。
また、チンニングにはプルアップ(順手)とチンアップ(逆手)の二種類があります。どちらかが良いということではなく、それぞれにメリットがあります。
- プルアップ(順手):広背筋下部、棘下筋に強い刺激
- チンアップ(逆手):大胸筋上部、二頭筋に刺激
また、背中トレに慣れていないうちはチンアップの方がやりやすいと感じる人がいると思います。
これはある程度個人差があるため、自分にとってやりやすい(≒背中の筋肉に入りやすい)ものを見つけてみて下さい。
また、手幅に関しても個人差があります。
- 手幅を狭くする:僧帽筋への刺激
- 手幅を中間にする:広背筋への刺激
- 手幅を広くする:大円筋への刺激
が強くなる傾向がありますが 、トレーニング習熟度によってもある程度変わるため、自分に合ったものを探してみてください。
背中トレ3: シーテッドローイング

ローイングには様々な種類があります。ケーブル、座ったまま、身体を前傾させるベントオーバーローイング等々。しかし、この研究によるとこの胸を椅子に押し付けながら行うトレーニングは広背筋から菱形筋まで多くの部位に同時に効率的に刺激を与えられることがわかっています。
理由は身体が前後に振って股関節を活用してしまうのを抑制できるからです。
特に、デッドリフトで既に脊柱起立筋に大きなダメージを与えているため、このトレーニングでは腰回りの筋肉以外に刺激を与えられるようにしましょう。
背中トレ4: ラットプルダウン
ラットプルダウンとチンニング、どちらかしか選べないと言われたら私はチンニングを優先させますが、背中の大人気種目ラットプルダウンについても解説しておきます。
ここではよく議論になる①バーの降ろす位置、②体の傾き、③手幅、④握り方についてベストなものを説明します。
結論としてはこちらです。
- バーの降ろす位置:胸の上
- 身体の傾き:少しだけ後ろに倒れる
- 手幅:肩幅より少し広め
- 握り方:オーバーハンドグリップ
バーの降ろす位置
こちらの研究では、トレーニング経験者がある24人を対象に胸の上に引く方法と首の後ろに引く方法のどちらが筋肥大に効果的かを確認しました。
その結果、胸の上に引く方法が三角筋後部の関与を抑制することができるため、効率的だとわかりました。
身体の傾き
こちらの研究によると、身体をわずかに10~20°程度だけ傾けることで肩の怪我を抑制することがわかりました。身体を直立させている場合、腕を下方向に引いた際に肩に非常に強い負担がかかってしまうことから、お勧めできないことがわかりました。
グリップ幅
この研究によると、手幅の違いで得られる刺激が異なることがわかっています。
しかし、肩幅より少し広め(中間の手幅)が最も効率的に全部位に刺激を入れることが研究結果から判明しているため、効率よく背中全体の筋肉を鍛えようと思った場合、ミディアムグリップで行うことを推奨します。
背中トレのメニューの組み方

基本的な考え方として、高重量を扱うことができる種目を前半に行い、後半にかけてコントロールできる重量を取り扱う流れになります。
- デッドリフト:6レップ×3セット
- チンニング:10レップ×3セット(場合によっては加重)
- ローイング:12レップ×3セット
- ラットプルダウン:12レップ×3セット
ローイングまでで疲れ切ってしまった場合はラットプルダウンをやめましょう。その代わりに次のトレーニングでチンニングとラットプルダウンを入れ替えて行うなど工夫の余地があります。
まとめ:背中トレは筋肉との繋がりを理解して引きまくれ
以上、いかがでしたか?
少しでも背中トレの参考になれば幸いです。
その他のトレーニングについてはこちらを参考にしてみてください。
また次の記事でお会いしましょう。

会社員ひろです。社会人3年間で2回の転職と無職を経験。
筋トレに2019年から本気で取り組み始め、2020年8月に行われたフィジーク大会で優勝した経験があります。
戦歴は以下の通り
FWJフィジークノービス優勝・オープン4位
Best Body Japan 関東大会ファイナリスト
NABBA SPORTSMODEL TOP10